なぜかPC環境に凝ってしまったゲーセン音ゲーマーが,使っているものを色々紹介する
はじめに
こんにちは.いくら~です.はじめましての方ははじめまして.普段はゲームセンターでmaimaiって音ゲーをしばくのを生業としています.
ということで私自身は「ゲーマー」ではありますが,最近世間一般に「ゲーム」と言ったら真っ先に挙がってくるであろうApex,VALORANT,FortniteといったFPS・TPS系はやっていないし全く興味ないのです.ただ,半年ほど前に原神をやってみたいという軽い気持ちでゲーミングPCを買って*1以降,気づいたら暇なときにPCガジェットの情報を色々漁っており,(PCゲームはサブ的にやっているに過ぎないにも拘わらず)気づいたら色々とこだわって買い揃えていました.
ということで,ある程度納得いくアイテムがそろったなと感じてきたこともあり,自宅のPC環境で使っているアイテムを紹介します*2.選んだ理由を中心に,他の候補製品との差別化点,実際の使用感とオススメ度も簡単に書いていこうかなと思います.ちなみに想定読者はいるにはいますが,人数としてはごくわずかなので基本的にこの記事は自己満足で書いてます.
PC本体と重要周辺機器
PC本体
オススメ度(★★★★☆)
厳密には今回紹介する物の中で最初に買ったのはモニターなんですが,私のガジェットへのこだわりが芽生えたのはこのPCを買うために色々と調べ始めたことがきっかけだったので,今の私の原点と言える買い物です.
まずスペックをご紹介します.商品ページ,また納品書を貼っておきます(直撮りでごめんなさい).ちなみに価格は¥185,290でした.
さて,ゲーミングPCを買うときは家電量販店で買わずBTOメーカーで買え,というのはもはや常識になりつつありますが,BTOメーカーというと皆さんはどういったメーカーを思いつくでしょうか? ドスパラ,マウスコンピューター,パソコン工房,FRONTIER,Storm,TSUKUMO,HP,Lenovo,サイコムあたりが有名でしょうか.ただ私は今回このどれでもないBTOメーカーを選びました.
それがここ.「パソコンSHOPアーク」さん.
ただ結論から言うと,万人にはオススメできません.ここの利用ハードルは高い気がします.で,ここで買った理由は大きく分けて2つ.
- サポートの充実度合い
- 使っているパーツのメーカー・型番が(ほぼ)明記されている
あとは単純に買おうと思ってたタイミングでセールをやっていて,お得に買えた(と思っている).
まず大前提として,パソコンは超がつくほどの精密機械です.なので,この手の話に興味を持っていて,「次パソコン買う時は自作してみたいな~」と思っている今ならまだしも,パソコンなんて本当に何もわからない初心者だった当時の私からすると,(特に壊れた時)サポートが充実していることは結構重要なことでした.
その面で外れたのが例えばFRONTIER.あそこは確かに安いし,いつ見ても何かしらセールをしていますが,サポート面で不安を覚えました.それとドスパラは家族から「サポートが良くない」という評判を聞き却下したというわけです.*3
そして,こっちの方が重要ですが,使っているパーツのメーカー・型番が明記されているのは安心感の面で違いました.例えば,パソコンが全く動作しない不具合が起きたと仮定します.そして,実験を行った結果,壊れていると思われるパーツが特定できたと仮定します.この場合,もちろん最適解はパソコン全てを買い替えることではなく,そのパーツを換装することかと思います.
ここで,パソコンのパーツの相性問題を考えないといけません.BTOメーカーで買った場合,ここの判断がかなり難しくなると考えました.つまり,使われているパーツのメーカー・型番が分からない状態の場合,Amazonとかでパーツを1つ買ったとして,それがそのPCに合わない可能性がどうしても生まれます.
もちろんどのBTOメーカーも,「パーツ同士の相性が悪くて最初から動作しませ~ん(笑)」なんてパソコンは送ってきません(そんなことがもしあったら大問題ですよね?).しかし,BTOメーカーの多くは独自ルートでパーツを大量発注し,中にはオリジナルのパーツを使うことでコストを抑えているらしいです*4.なので,パーツ1つを替えるとなった時,リスクが結構あります.結果的にパソコン全体を買い替えることもあるかもしれません.
しかし,パーツの詳細がわかっており,しかもそれらが市販されているなら話は変わります.それと全く同じものを買ってくれば良いだけです.したがって,個人でパーツを全部揃えるよりは安く,手軽に組むことができ,なおかつパーツ換装が必要な際のリスクも(0とはいかずとも)ある程度低くすることができ,結果的に長く使える可能性が高い,つまり結果的に安く抑えられる可能性が高いのではないか.そう考えて,私はこのメーカーを選択しました.*5
先ほど,利用ハードルが高いと言った理由はここにあります.少なくともゲーム用にPCがあれば良い,という考えの方には向いてないと思います.グラボやCPUの型番が分かる,程度よりは一段上の知識量が必要な気がします.今思うと,買った当時は全く意識してませんでしたが,こういう考え方をしていた時点で,ガジェットを好きになる未来はすでに決まっていたのかもしれません.
以上を踏まえつつ最終的に選んだのが本章冒頭でご紹介したものです.以下では3つほどこだわった部分について簡単に紹介します.
- CPU:Intel Core i5-12400
ゲーミングPCでIntel製のCPUを使う際に一般的なのは,「○○F」という「F」がついたモデルですが,あえてFなしを選びました.FつきはCPUから映像出力ができないモデル.Fなしはそれができるモデルです.グラボから映像を出すので基本的にはFつきで良いのですが,映像が出ないといった不具合の際に原因の特定がしやすくなるという理由からCPUからも映像が出せるタイプを選びました. - クーラー:Scythe 虎徹
結構有名らしいサイドフロークーラー.確かデフォルトのは心許ない印象を受けたのでアップグレード.クーラーは正直今もよくわかってない部分が多いのでこれから勉強していきたいところ. - 電源:750W 80PLUS GOLD
個人的にですが,PCを買う時に一番こだわるべきパーツはグラボではなく電源だと思っています.電源にある程度余力があれば,グラボの換装とかしたいときにもなんとかなりますが,最初についているグラボに合わせた容量の電源だと足りないことが多そうなので.ということで,電源はカスタマイズできるBTOメーカーが個人的にはオススメです.
あとは,マザーボードかグラボかどっちか忘れましたが,なんか買った当時ASUS製のパーツが安くなるキャンペーンをやっていて,通常だと価格を上乗せしないと替えることができないパーツなのに,「それに替えると値段が下がる」という意味の分からない現象が起きていたので,ここは深く考えずにASUSのものにカスタマイズした記憶があります.
最後に,このPCの全体的な感想を簡単に.まず,パフォーマンスはとても良い.原神やってて不安を覚えた点は1度もないし,それ以外についても申し分ない.最近出たホグワーツレガシーはいつか買ってやってみたいと思ってるんですが,これも設定さえバカなことをしなければちゃんと動くはずです.また幸い故障は1度も起きていません.なので,「故障が起きたら」という懸念のもと選んだ理由が活きた場面は1度もないです.まあそんなこと起こらない方がいいのでね.
ともあれ,細かい差は各メーカーあれど,12世代のi5とRTX3060Tiの組み合わせは,ゲーミングPCデビューする方にはうってつけと言えると思います.困った方はこの構成でいいのではないでしょうか.そのうち4060や4060Tiとか出てきて,それの方がコスパで優れるという時代になったらまた話は変わるでしょうが,もうしばらくはやはりこの構成が王道で安パイな気がします.ただ,私がこのPCを買った時は,RTXの4000番台が本格的に市場に出回る前でしたので,このスペックは「ミドルスペック」って感じでしたが,4070までは出ている今の時代だと「必要最低限」のラインになりつつある気もしています.
パソコンは1度買ったら結構な年数を使うことになる買い物になるため,その点も考えると良いのかなと思います.オススメ度で1点減点されているのは,こうした私の今の考えも踏まえてます.
キーボード
オススメ度(★★★★★)
まずは使っているものを紹介.RazerのHuntsman V2 Tenkeylessってやつです.
ただ,このキーボードにたどり着くまでには紆余曲折ありましたので,この章ではそのことについてつらつらと書き連ねます.
まず私が前に使っていたキーボードからご紹介します.LogicoolのK270という,安物だけど値段のわりに性能は結構ちゃんとしてるキーボードです.
で,実のところこれはこれで結構おススメです.今は職場に持っていって使ってます.PCでゲームをやらない方なら結構良い選択肢だと今でも思ってます.ただ,このキーボード,2つほどゲーム利用で困った点がありました.
欠点①:デカい
このキーボード,右側にテンキーがついている,いわゆるフルサイズキーボードなんですが,ゲームをする時マウスを振るスペースが足りなくて,マジで邪魔.
ついでに私はずっとデュアルモニター環境なので,通常のPC作業でもカーソルが左端まで届かないことが時々あり,これもだいぶ鬱陶しい.
キーボードのホームポジションの位置はどんなサイズであろうとほとんど変わることがないため,キーボードがデカくなると左右にちょっとずつ膨らむのではなく,極端に右に片寄って伸びていきます.原神に限りませんが,今のPCゲームの多くはマウスで視点の移動を行います.このマウスの移動範囲が狭まるのは結構ウザい.ということで,フルサイズからテンキーを除いたテンキーレスキーボードにしようと思いました.
だったら,もっと小さい75%~60%キーボードを買えばいいじゃない?そんな声が聞こえてきそうです.
しかし私から言わせると,あのサイズにまでなってしまうとそれはもはや「キーボード」ではありません
「ゲームコントローラー」です
Nintendo Switchのプロコンだとか,Play StationのDUALSHOCKシリーズだとか,あれらと同じカテゴリーの商品です.
例えば,KeychronのK3というキーボードがあります*6.
いわゆる75%キーボードと呼ばれるサイズなんですが,このキーボード自体の品質は(レビュー動画くらいでしか情報を見ていませんが)全体的に高いと思います.
「配列を除いては」
一番わかりやすいのがここでしょう.
ご覧ください
矢印キーがバグってます
普段使いのキーボードでこれは間違いなくストレスがマッハで貯まります.75%以下のキーボードは,どうしてもテンキーレスよりさらにスリムなことを売りにしているので,ほとんどがこういう「配列の歪み」を抱えています.
そして75%以下のキーボード最大の問題点.
規格が全然統一されていない
良く言えば,「個性が出る」わけですが,そんな綺麗ごとでごまかしている場合ではありません.もちろん文字のキーは日本語配列なら日本語配列で統一されているので良いのですが,それ以外のキーについては,どこに何があるか細かいところで結構違います.なので,買い替えをしようとした際に全く同じ配列のものが生産終了している,なんてことが普通に起こりうるわけです.
パソコンを,インターネットやその他諸々の作業「も」できる「ゲーム機」として考えるのであれば,そのコントローラーとしてあれらのサイズのキーボードを買うのは良い選択肢でしょう.
しかし,私が買ったのは「パソコン」です.Twitterもするし,YouTubeで動画は見るし,アニメや映画も見るし,Amazonで買い物だってするし,大学の勉強もこれでするし,こうやってブログを書きたいなんて思うこともあるし,動画編集もまたやってみたいと思ってるし,そしてゲームもこれでやりたいわけです.
長々と書きましたが,以上から私がキーボードに求めたのは,ゲームに便利な側面も持った汎用性の高さ,です.
欠点②:キーの反応が安定しない
これはまあゲーミングキーボードではないので仕方ないかなという感じではあります.ただ原因が結局最後まで特定できませんでした.考えられたのは2つ.
- キースイッチの問題
そもそもゲーミングキーボードがなぜ高いのか皆さんご存じでしょうか?
LEDがピカピカ光るから? 違います.キースイッチの構造が全く違うからです.
キーボードには大きく分けて3種類のスイッチの構造があります.
・メンブレン式
・パンタグラフ式
・メカニカル式
です.LogicoolやELECOMなどで安価に手に入る一般的なキーボードのほとんどはメンブレン式かパンタグラフ式です.ちなみに上で紹介したK270はメンブレン式で,デスクトップPC用のキーボードは大体これです.一方ノートパソコンのキーボードの多くはパンタグラフ式で,超薄型を謳う安価なキーボードもこれである場合が多いです.
一方メカニカル式は値段が高くなります.ゲーミングキーボードを名乗るものは大体がこのスイッチを採用しており,このため値段が一気に上がるわけです.
メカニカル式の利点としては,打鍵感の良さと耐久性の高さが挙げられます.前者については後ほど語るとして,後者に関しては,ゲームをしていると特にWASDキーを中心にどうしても通常使用だとありえないキー入力をすることがあります.ゲーミングPCを買って以来しばらくはこのK270でゲームをやっていたため,いつの間にかキーがへたっていた可能性は十分にあると思いました. - ワイヤレスの接続の安定性
結果的にはこっちの理由が大きかったと今では思っています.K270はワイヤレスなのですが,ワイヤレスキーボードの場合,USBドングルをPCに挿して使用するタイプとBluetoothで接続するタイプの2種に大別されます.一般的に前者はPCしか使えないデメリットがあるが,安定性と遅延の少なさがメリットとして挙げられます.Bluetoothは複数台の同時接続が可能だったりiPadで使用することもできますが,接続の安定性にはやや難があるとされます.
K270は前者.USBドングルで接続するタイプです.しかも,Logicoolは特にワイヤレスの品質の高さに定評があります.なので,後考えられる理由としてはPCとキーボードの距離くらいです.これは調べて分かったことなのですが,高級品のUSB接続ワイヤレスキーボードの場合,USBドングルとキーボード本体の距離を近づけるための延長アダプタがついていることが多いそうです.有名なLogicoolのG913あたりはまさにそう.
K270には,こういう延長アダプタはないのですが,今の部屋のレイアウト的にこれ以上キーボードとPCの距離を近づけるのはかなり厳しかったです.
前置きがめちゃくちゃ長くなりましたが,こういった不満点を考慮して,以下の条件でキーボードを探しました.
- テンキーレスサイズ
- メカニカル式.軸は赤軸,またはそれに準ずるもの
- 延長アダプタ付きのUSB接続ワイヤレス
- ある程度ゲームに便利な機能(プロファイル設定機能やWinキー無効など)
ちなみに,「軸」とはメカニカルキーボードのスイッチの種類のことで,赤軸はその中でも静音性に優れたタイプです.よくDiscordでボイスチャットをしながら原神をやるので,赤軸が最も望ましいと考えました.
さて,細かいところは絞り込んでから考えるとして,とりあえずこの4条件で探しました.
出てきました.天下のLogicoolとRazerから最高級キーボードが出てきました.
どちらも3万円前後する超高級品です.
高い
簡単には手が出せません.2万円前半くらいだったらまだ買ってもいいかなとなりますが,3万円ですよ?3万円
他のメーカーもざっと調べましたが,やはりこれを明らかに超えている製品は存在しない.ということで,この2製品に関しては徹底的に調べました.
そして,どちらも致命的な問題点に気づきます.
まずはLogicoolのG913 TKL.こちらはキーキャップの耐久性に難ありというレビューを少なからず見ました.例えばこちらの動画を見ていただければわかるんですが,キーの塗装が結構剥げています.
G913 TKLというと,見た目の高級感も人気の理由の1つ.実際私も見た目にはかなり惹かれました.というか未だにこれの見た目には憧れています.しかし,そんなキーボードなのにキーの印字が剥がれたら本末転倒もいいところ.一気に見た目がダサくなります.キーボードを買おうと思っていた去年末頃から,おしゃれな部屋の構築は自分の中の野望としてあったため,見た目でディスアドバンテージを背負うリスクは避けたい.ということでG913は惜しみつつ却下.
続いてRazerのDeathstalker V2 Pro TKL.こちらはG913 TKLと違い,ダブルショットABSキーキャップを採用しており,耐久性だとLogicoolに比べ圧勝.いいじゃん,と思った矢先にもっと致命的な問題が発覚します.
バッテリーが弱い
Logicoolの大きな強みとして挙げられるのがバッテリー持ちの良さ.実際私はK270でこの恩恵をたっぷり受けていました.バッテリー持ちに関してはRazerはLogicoolの足元にも及んでいません.
私はめんどくさがりなので,バッテリーを結構頻繁に充電しないといけないとなると,そのうち充電ケーブルを挿しっぱにしてしまう未来は目に見えています.確定的と言って差し支えありません.ということで,これも却下.
こうなると先に挙げた条件でどこかを妥協するしかありません.そして,気づきます.
ケーブル着脱式の有線キーボードでいいじゃん
と.
ワイヤレスキーボード最大の利点は,例えばスマホで音ゲーをする時に,キーボードを簡単に片づけられることだと私は感じています.ケーブルが着脱式だったら,有線キーボードだとしてもこの問題はほとんどクリアされます.Deathstalker V2 Proの欠点について考えた時にこのことに気づけて良かったなと思います.
ということで,ケーブル着脱式の有線タイプに条件を変更し探しました.こっからは早かったです.
最終候補はこの2つ.RazerのHuntsman V2 Tenkeyless.LogicoolのG PRO.
この2つまで絞った段階で,同時に購入する予定であるマウスをRazerのものに既に決めており(後述)統一感が欲しかったこと.また見た目の高級感や機能面も加味して,最終的にHuntsmanを選びました.
で,肝心の使ってみての感想なんですが,全体的に非常に完成度が高い.基本的に買い物する時はわりと調べて買うことが多いのですが,キーボードに関してはその中でもマジでめちゃくちゃ調べたので,ある意味で想定通りの使用感という感じです.
まずキースイッチと安定性について.初めてのメカニカル式*7だったわけですが,本当に打ち心地が良いです.この世には様々なメカニカルキーボードがあるので,まだそれらと比較はできませんが,今までのメンブレン式と比べたら雲泥の差です.少なくとも今後私がメンブレン式やパンタグラフ式を買うことは二度とない気がします.もう戻れません.以前使っていたK270は職場に持っていってますが,これをある程度使いこんだら職場のキーボードも間違いなくメカニカル式にしようと思っています.とにかくキーボードを打ってて気持ちが良い.今もこうしてブログを書いてるわけですが,とにかくキー入力が進む進む.こんなに変わるものかと感動しております.誇張抜きで卒論や修論もこのキーボードでやってたらもう少しモチベーションが上がっていたかもしれない,と思うくらいです.本当に.
あとこのキーボードは有線なので,安定性については心配していませんでしたし,特に問題なく使えています.
次にライティングについて.これは意外と控えめ.バッテリーを気にしなくて良いので明るさMAXにしていますが,それで個人的にはちょうどいいくらい.ちなみにライティング機能付きのキーボードでライティングOFFはあまりオススメしません.基本的にライトをつける前提でキーに印字されているため,OFFだと結構印字が見づらいと感じます.
専用ソフトのRazer Synapseについても少し.ゲーミングデバイスメーカーというとLogicoolとRazerが真っ先に挙がるとは思いますが,この2社の製品を選ぶ最大のメリットは,専用ソフトの質ではないかと私は思っています.もちろんこの2社以外にもさまざまなメーカーがキーボードやマウスなどを販売していますが,特に新興メーカーの場合,カスタマイズするソフトの質がオワッていたり,存在しない,なんて話もあるようです.その点,LogicoolのG HUBとRazerのRazer Synapseは,完璧には程遠いですが,大分マシです.
あとこれは先ほど触れていなかった点なのですが,キーボードの場合,LogicoolとRazerではRazerの方がカスタマイズ性が圧倒的に高いです.Razerの場合,ほぼすべてのキーの設定をいじることができます.さらに,Hypershiftというモードがあり,Fnキーと特定のキーを押すことで,なんらかの動作を行えるようにしたりすることが可能です.
私の場合,左Shiftの上にあるCaps Lockキーを使わないため,これをFnキーとして機能するようにし,Fn(Caps Lock)と特定のキーの同時押しによって,原神を一発で起動したり,スクリーンショットを簡単に撮れるようにしています.これがマジで便利.
最後に付属のパームレストについても触れておきます.
手首を乗っける用のクッションみたいなの.これも結構質感が良い.薄型キーボードというわけではないので,これがないと結構「段差」を感じて違和感がすごいし,そもそも手首が痛くなってくる.マグネットでキーボードとくっついたら完璧だったんですが*8,残念ながらそういうタイプではなく裏面に滑り止めがついているだけ.ここはこのキーボードの数少ない減点ポイントかもしれません.
あと,これは製品とは直接関係ないんですが,キーボードとこの後紹介するマウスは,Amazonアウトレットで購入したため,結構安く買えました.定価だと20000円超えするやつなんですが,14000円くらいでほぼ新品(箱がちょっと汚れていたくらい)が買えたのはマジでアド.ここもプラス点かもしれません.
総評としてはかなり良かった.今回紹介している製品の中で一番オススメできると言っても過言じゃないかもしれません.
マウス
オススメ度(★★★★☆)
こちらもまずは今使っている製品から.RazerのBasilisk Ultimateというマウス.
マウスに関しては,キーボードほど買い替えの必要性はなかったんですが,ゲーム部屋構築のためにせっかくなので新調し,古いものはこれまた職場に移動させました.こうした願望もあり,このマウスは結構ライティングが派手めなんですが,このことも選んだ際の理由としてちょっと入っています.
さて,マウスに関しては有線で妥協するという選択肢はありませんでした.キーボードはあまり動かさないのでまだ妥協できますが,マウスに関してはめちゃくちゃ動かします.いくらマウスバンジーというものがこの世に存在するとしても,ケーブルによる煩わしさはキーボードの比ではありません.
ということで無線かつUSBドングルでの接続は必須条件として調べ始めました.幸いキーボードと異なり,マウスは有線版と無線版が同時展開されている商品が結構多かったり,あるいは無線しかないというモデルも増えつつあるので,この点でキーボードよりは圧倒的に探しやすかったです.
ところで,マウスを選ぶ際の判断基準は個人的に3つあると思っています.
- 形状
- 重量
- ボタン数
の3つです.
まず形状から.考える際のヒントになるのは,マウスの握り方.マウスの握り方は3種類に大別されます.「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3つの言葉は知っておくとよいでしょう.
自分に合ったマウスを選ぶときには,マウスを普段どのように握っているのかは把握してから探し始めると良いでしょう.例えばエルゴノミクス形状と言われる,「人間工学に基づいた最適な形」を謳うマウスが世には結構あります.今回私が買ったBasilisk Ultimateもその1つ.ただこのエルゴノミクス形状はかぶせ持ちで1番真価を発揮すると考えられます(私もかぶせ持ちです).
もちろんつかみ持ちやつまみ持ちの方でも十分使えるでしょうが,特につかみ持ちであれば,LamzuのAtlantis,NinjutsoのSora,PulsarのX2などが良いでしょう*9.
Ninjutso Sora Wireless Gaming Mouseninjutso.com
次に重量について.先ほど紹介したXM1クローンのマウスたちはどれもマジでビックリするほど軽いのですが,これらに代表されるように,最近の主流は軽いマウス.80gを切っても軽量とは呼べるか怪しい時代になってきました.
で,軽いマウスが流行っている理由なんですが,おそらく昨今のFPS人気が関係していると思われます.何度も言っているように,私はFPSを嗜まないのですが,どうやら現在ではローセンシでマウスをガンガン振って視点移動をし,必要なときはエイムを微調整できるようにする,というスタイルが好まれているようです.そんなわけで,ガンガン振っても疲れにくい・動かしやすい軽いマウスが好まれる,というわけだそう.
FPSをやる方は軽さはある程度多かれ少なかれ気にしておいた方が良いでしょう.しかし私の場合は軽さをそこまで重要視しませんでした.今回買ったマウスは,メーカー公称107gと最近の主流から考えるとちょっと重めです.
最後にボタン数について.ここが個人的には一番気にしたポイントでした.FPSゲームではどうやらマウスで多くのボタンを使い分けるといったシチュエーションはあまりないらしく,左クリック・右クリック・中央ボタン・サイドボタン2つ程度のシンプルなものが比較的多いです.
しかし,私の場合これだと足りなくなるだろうなぁと思っていました.少なくともホイールの左右チルト入力は必須.ここによく使う動作を割り当てようと思っていました.
しかし,ボタンが多すぎるのも困りものです.例えばサイドにボタンがいくつもあるマウスがこの世には存在します.代表的なところだと,LogicoolのG604.
これにはサイドボタン6個,さらに左クリックボタンの近くに人差し指で押すボタンが2個ついてます.後者はまだしも,サイドの6個ボタンはどう考えても誤爆してイライラする未来しか見えない.本格的なMMOなどで使うなら選択肢になるでしょうが,ここまでMMO特化でもそれはそれで使いにくい.ボタンの面で私が求めたのは,キーボードと同じく汎用性の高さでした.
ということで,以上の話を踏まえた上で探した結果見つけてきたのがこの2つ.LogicoolのG502.RazerのBasilisk Ultimate.多ボタンマウスのカテゴリに属しますが,その中では比較的扱いやすい部類ではないかと感じた2製品です.
ちなみに購入を検討していた段階で後継モデルが出ていました.G502 Xってやつと,Basilisk V3 Proってやつ.
ただ,こいつら価格がそれぞれの前作の2倍くらいします.マウスに2万もかけられんわとなり,今回は断念しました.ただ特にBasilisk V3 Proの方は,そもそもPCゲーム及びガジェット初心者の目線だと,どこがアップグレードしたのかいまいちよくわからなかったというのが正直な感想です.
さて,そんなG502とBasilisk Ultimateですが,わりといろんなところが似ています.例えば形状.
見てください
ゲーミングクワガタです
まあ左右クリック部分の角が鋭すぎるという印象はその通りだと思います.私は買った今もなおその印象は消えません.実物を見てみると,これはこれでカッコいいかもなという気持ちにはなりました.
この2つの差についてかいつまんでお話していきます.
まず重量.G502が114g,Basilisk Ultimateが107g.Razerの方が軽い.
次にボタンの数.ここが結構違う.
G502は,サイドにボタンが3つ.左クリックの端にボタンが2つ.ホイールの下部には,ホイールの回転方法を切り替えるボタンとカスタマイズ可能なボタンが1つ.
次にBasilisk Ultimate.サイドボタンは3つで変わらず.左クリック端のボタンはなし.ホイール下のボタンは2つともカスタマイズ可能.
両者ともにホイールの左右チルトには対応しており,もちろんカスタマイズ可能.ということで,ボタンの面ではG502の方が若干優秀という感じ.ただ,ホイール下のボタンって結構いじりづらいので,その面ではBasilisk Ultimateの実際に使えるボタン数は思ったより少なそうだなという印象.
この時点だとカスタマイズ性の高さからLogicoolに軍配が上がりそうですが,RazerにはLogicoolにはないものがあります.それがこれ.
Charging Dock
というやつ.
そうです.充電の手間がLogicoolとRazerでは段違いです.
先ほどキーボードのところでも,充電の手間を考えるとそもそも有線にしても問題ないという結論になったことをお伝えしましたが,それはマウスでも一緒です.しかし,このCharging Dockがあれば,例えば朝出かけるタイミングでこれにマウスを乗せて充電することを習慣化すれば,充電の際の煩わしさからはかなり解放されます.
LogicoolにもPOWERPLAYという,マウスパッド型のワイヤレス充電のための製品を販売していますが,あれは17000円くらいします.
充電の手間解消のためだけにマウスより高い金額を払うバカがどこにいるんだ
となりました.
先ほど私がG502とBasilisk Ultimateの比較をした際に,ワイヤレス製品で大切なバッテリー持ちを挙げなかった理由がこれです.この面でLogicoolとRazerは勝負になっていないと私は感じました.
ということでBasilisk Ultimateを買いました.ここからは実際の使用感について簡単に.
まず一番の決め手となったCharging Dock.これは想像通りマジで便利.ただし1点だけ欠点がありました.それが思ったより乗せづらいということ.先ほどの写真を見ていただければわかりますが,Charging Dockに突起がついており,その突起をマウス底面についている接続端子にはめる,という構造なのですが,特に慣れないうちはちょっと入れづらいと感じます.
一方,気づいてなかった便利な機能が1つありました.それが,Charging Dockのライティングについて.Charging Dockもライティングに対応しているんですが,マウスの充電が少なくなるとライティングで教えてくれます.これが結構助かる.このおかげで気づかないうちに充電があとわずか,みたいな事態を防いでくれます.まあそもそも毎日充電していればそんなことはあまり起こりませんが.
あと,サイドボタンの3つ目が想像以上に便利.短いトリガーのような形状になっているため,特にかぶせ持ちの場合ちょうど良い位置に親指が来て押しにくさに困ったことはないです.また,キーボードのところで少し説明したHypershiftのモードを,この3つ目のサイドボタンを押すことで有効になるように設定すると,「このボタンを押しながら左クリック」といった感じで,別の動作を割り当てることができます.なので,操作のカスタマイズ性もこれで十分確保できたかなという印象です.
というわけで全体的には満足です.ただオススメ度に関しては,上位モデルが出ていることを加味して,今の時点なら☆4で妥当かなと思い,キーボードよりは1つ点数を下げました.
モニター
オススメ度(★★★★★)
使っているのはこれ.BenQのMOBIUZ EX2510Sという商品.
迷ったらこれ,と言われるくらい,ゲーミングモニターの中では定番中の定番の商品です.
モニターに関してはあまり迷わずに決めました.いや,迷うほど知識がないまま買いました,の方が正しいです.そして奇跡的に今回は成功していました.なので,キーボードやマウスみたいにどういう経緯でこれを選んだか,という話はできません.
このモニターがなぜ「迷ったらこれ」と言われる定番モニターなのか.
汎用性が高い
これに尽きます.こう考えると私好きですね,汎用性.キーボードもマウスもモニターも全部そう.
ということで,以下ではこのモニターの汎用性の高さの所以を簡単にまとめます.モニター選びに迷っている方は,これらを参考に自分の中で重視したい部分がどこにあるのか把握してから探すと良いと思います.
まずパネルの種類について.モニターのパネルは現行だと大体4種類.TN,VA,IPS,有機EL,の4つ.このモニターはIPSパネルです.有機ELはそもそも液晶パネルとは異なる全くの別物で,また売ってるモニターの種類自体が現状は少ない.
TNパネルは安く,後述するゲーミングモニターで重視される諸要素が総じて優秀ですが,色味が悪くFPS特化パネルと言われています.
VAパネルはコントラストに優れており,映画鑑賞用とかだと良いんですが,ゲームには大分向いてないと言わざるを得ない.
一方IPSは色再現性がTN,VAと比べて高く,色味が綺麗なことが特徴として挙げられます.また最近では技術も進歩しており,ゲームで必要な性能もひと昔前と比べ格段に上昇しているらしいです.ということで,ゲームもしつつ,いろんな用途でパソコンを使うというならIPSほぼ一択と考えられています.
次に解像度.このモニターは最も一般的なフルHD(1920×1080)です.上述のスペックのパソコンなら,フルHDかこの1つ上のWQHD(2560×1440)で使うのが良いでしょう.4K出力にはこのスペックは心許ないかと思います.
ここからはゲーミングモニターだからこそ気にしたい要素を2つほど.1つ目はリフレッシュレート.これはモニターが1秒間に何回画面を書き換えられるかを表す数値で,Hzの単位で表されます.この値が高ければ高いほど映像が滑らかになります.ゲーミングモニターの場合,解像度よりもリフレッシュレートの方が重要視されることもしばしばあります.
ちなみに似たような概念で,フレームレートという言葉があります.単位はfps.音ゲーマーの方はこちらの用語の方が馴染み深い方が多いでしょうが,これはモニターに映像を出力する側(パソコン,カメラ,ゲームなど)の指標です.
つまり,例えばこのゲームは120fps対応ですと言われたら,そのゲームは120枚の画像で映像を構成できることになります.したがって,例えば出力側が120fps出せても,モニターが60Hzなら1秒間に画面は60回しか書き換わりません.いくらパソコンがハイスペックでも,そのスペックを発揮できるモニターを選ばないと宝の持ち腐れとなってしまうのです.
なお,このモニターは最大165Hzです.1秒間で最大165回画面を書き換えることができます.一般的なモニターが60~75Hz,良くて120Hzとかなので,それを超えてくるとゲーミングモニターと名乗れる最低ラインはクリアしているかなという印象.この165Hzという数字は中位帯の価格のモニターで最近トレンドのリフレッシュレートになっているようです.
2つ目が応答速度.応答速度とはモニターの色が変化するのに要する時間のことで,これは画面の残像感に影響を与えます.単位はミリセカンド(ms)なのですが,この値は低ければ低いほど残像感が少なく,例えばFPSで敵の位置がブレず正確に照準を合わせやすいということです.このモニターの応答速度は1msと高速*11.ゲームプレイに十分な水準です.
またこのモニターはHDRに対応しているのも良い.HDRに対応してるモニターの場合,通常のモニターに比べて表現できる明るさの幅が広がります.その結果,明るい部分と暗い部分の差がよりはっきりし,映像がより綺麗に見えるとされています.
ゲーミングモニターでHDR対応と言われた場合は,競技性は高くないグラフィック重視のゲームを想定して書かれています.このモニターはBenQ独自のHDRiを搭載しているらしいです.一般的なHDRと比べてどの程度すごいのかは全く分かりません.
以上を踏まえると,ミドルスペックくらいのPCやPS5用のモニターとして,競技性の高いゲームでも,グラフィック重視のゲームでもスペックを十分発揮することができ,それ以外の用途でも不便なく使用できる万能モニターということになります.
おまけに,このモニターは音の面でも優秀です.一般的なモニターの場合,そもそもスピーカー非搭載のものが多く,ついていても音質がゴミというものがほとんどですが,このMOBIUZシリーズは十分実用レベルのスピーカーを搭載しています.さすがに万単位する外部スピーカーには劣りますが,2000円前後の安物スピーカーと比べると遜色ない音になっており*12,外部出力の音にあまりこだわらない人,音は基本的にヘッドホンやイヤホンで聞く人にとっては十分すぎるスピーカーです.このスピーカーもこのモニターの汎用性の高さに拍車をかけていると言えます.
ということでこのモニター,非常にオススメです.強いて不満があるとすれば,ケチらずWQHD対応のものにしておけばよかったかなという後悔がある程度.とはいえ,このモニターを買った当時は今使ってるゲーミングPCではなく,ノートパソコンの2枚目のモニター&Nintendo Switch用として買ったので仕方ないです.これは次買い替える時(といっても結構先になりそうだけど)までの楽しみとしておきます*13.
*1:もちろん原神をやるだけならスマホでもできるんですが,さすがに今のiPhone XRだとスペック的にも容量的にも心許なかったこと,当時私は大学院生でその面でもパソコンは必要だったことなどからゲーミングPCにしました
*2:今はいわゆる「ゲーミングルーム」作りに精を出したいなと思っています.そっちのブログもある程度物が揃って来たら作りたいのですが,現状は模索段階
*3:あと単純に当時調べてた時,ドスパラはコスパが微妙に見えました.今は分かりません.書いてて思ったけどドスパラは有名メーカーだしもうちょっと勉強しておこうって思いました
*4:これは真偽不明ですが,ありそうな話だとは思ってます
*5:確かTSUKUMOもこういう選び方ができた気がしますが,アークさんを選んだ理由はさっきも書いた通りにコスパでした.ただ一般的にアークさんはコスパはそこまで良くないと分類されています.仕方ないですね.
*6:ゲーミングキーボードを名乗ってはいませんが,高級キーボードです
*8:ちなみにTKLサイズではなくフルサイズのHuntsmanだとマグネットタイプのパームレストが付属します.なんでやねん
*9:Endgame GearのXM1という有名なマウスがあり,今紹介した3つはこれに形状が似ていることから「XM1クローン」とカテゴライズされることもあるそうです
*10:ちなみにLogicoolのG502の新型はゲーミングクワガタではなくなりました.大分角の部分が丸みを帯びました
*11:とはいえ,最近のゲーミングモニターは大体このくらいにはなっています
*12:実際に2000円程度のスピーカーの音と比べてみた感想です
*13:その時は4Kモニターもある程度値段下がってるといいなぁ.無理かなぁ